毎日ゼンマイを巻く必要がある
手巻き時計の最大のデメリットは何といっても毎日巻くという手間がかかることです。一度ゼンマイを巻き切った場合、おおよそ40時間から50時間でエネルギーが切れると言われています。物によってはより長く使用可能なタイプも存在しますが、基本的には毎日ゼンマイを巻くことが想定されていると言えます。また、ただ巻くと言っても少々慣れも必要です。あまりゼンマイを強く巻きすぎると、必要以上なテンションが内部機械にかかり、場合によっては破損してしまう危険性もあります。毎日行う作業ですが、ゼンマイの巻き止まりを確認しながらゆっくり巻かなくてはなりません。昔から変わらない機構を自分自身で動かすという味わい深さもありますが、多忙な現代人にとってはデメリットとも言えます。

自動巻きと比べると正確さに欠ける
手巻きの時計は、一度ゼンマイを巻いたらそのパワーが無くなるまではずっとその動力で動き続けます。一方自動巻きの時計は装着しているときの腕の動きによって、自動的にゼンマイを巻きあげる機構を持っている為、装着中は定期的にゼンマイにパワーが蓄えられます。その為、手巻きはゼンマイが緩んでくると針の動きに少々ズレが生じ、正確さに欠けるとも言われています。最近のモデルは性能が上がり、あまりズレが生じなくなってきている物もありますが、自動巻きと比較するとやはり正確さとしては劣っています。ズレを少なくするためには必然的に巻く回数も増えるため、仕事や趣味などの関係で時計に細やかな正確さを求める人にとっては大きな欠点です。